断熱と健康

国が行った調査により断熱改修を行う前後の住宅の室内環境が血圧など健康関連事象に与える影響について、以下の得られつつある知見が確認されました。
(国交省プレスリリースより)

  1. 室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい。
  2. 居住者の血圧は、部屋間の温度差が大きく、床近傍の室温が低い住宅で有意に高い。
  3. 断熱改修後に、居住者の起床時の最高血圧が優位に低下。
  4. 室温が低い家では、コレステロール値が基準範囲を超える人、心電図の異常所見がある人が有意に多い。
  5. 就寝前の室温が低い住宅ほど、過活動膀胱症状(夜間頻尿)を有する人が有意に多い。断熱改修後に就寝前居間室温が上昇した住宅では、過活動膀胱症状が有意に緩和。
  6. 床近傍の室温が低い住宅では、様々な疾病・症状を有する人が有意に多い。
  7. 断熱改修に伴う室温上昇によって暖房習慣が変化した住宅では、住宅内身体活動時間が優位に増加。

また、室内寒暖差が大きい住宅ではヒートショックのリスクが高い傾向にあります。実際にヒートショックによる年間死亡者数は交通事故による年間死亡者数より多いと言われています。

このように、住宅の断熱性能を向上させることはただ省エネで快適なだけでなく、健康増進にも有効で高齢化社会において医療費負担を減らすことにもつながります。

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